インターネットでのアイデンティティをまごつかせて

第二の思春期を終えたオジサンが自分の好きな珈琲や読んだ本に食べたものについて思い出として書き残そうと思います

珈琲焙煎舎@分倍河原 珈琲豆(焙煎)に入れ込みすぎた喫茶店にいってきた。

茶店と一言にいっても色々ある。
たとえばナポリタンで火がついて行列ができちゃったお店とかお洒落な雰囲気で来る人を・:*:・(*´∀`*)ウットリ・:*:・させるお店とか店主が珈琲の入れ方にこだわりすぎて体を壊しちゃったお店とか。
そのどれもが喫茶店の魅力でそんな多様なあり方が喫茶店にはあると思っている。
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そんな喫茶店の中で珈琲焙煎舎さんは「肩の力抜いてもいーんじゃないですかぁ」って私みたいな珈琲愛好家に示してくれたとっても素敵で穏やかなお店でした。

私が珈琲焙煎舎さんを知ったのはたしか長月さんに教えられてのことです。焙煎の話になって自分もたまに手網焙煎をしていることを明かすと「手網焙煎でお店やられているお店があるんですよ」と聞き二人してすごい!何種類も手網みで焙煎し喫茶店回しながら通販もしているなんてどーなってんだ!なんてタフな奴なんだ!と驚き行ってみたい喫茶店リスト筆頭にいれていました。
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なのでここのお店の魅力はなんといっても手網焙煎器でジャカジャカひとつひとつ焙煎された珈琲です。手網焙煎なので直火焙煎ですし網をもって手を回しながら焙煎しますので味が良くも悪くも均一にはなりづらいです。機械式やロースターと比べるとかなり味に振り幅があります。でも、それが珈琲焙煎舎さんの個性でありキラリと輝く魅力です。

「うちは町の定食屋さんみたいな珈琲を目指してるんです」。そう語ってくださった珈琲焙煎舎さんの言葉は彼女のお店の魅力を端的に表しています。手網焙煎だから前回と同じ味は出せない。この前よりも香りが濃くなったり酸味がスッキリしたりする。でも珈琲の味って焙煎だけじゃなく体調や気候によっても変わってしまうでしょ。
珈琲の味は一定にならない。その一定にならなさを楽しんだらいいじゃないですかって暖かく穏やかな空気を珈琲焙煎舎という喫茶店と店主に感じました。
きっとその大らかさは師匠からの薫陶や経験によって珈琲豆や農園について深い造詣があるからなのかもなんて勝手に想像してしまいます。

「焙煎について聞かれるんですが私は教えられなくて、感覚でやってるんで、じゃーってやってばーーってやってはい出来上がり!みたいな!」
「焙煎はコーヒー豆達が教えてくれるんですよ。香りとか煙とかで、湿度とか気候で同じ豆であっても適切な時間は変わっちゃうので、そういう数値は気にしないんです」

10年前と今年では同じ産地の豆であっても味は同じにならないし、気候や斜面が違うだけで同じ年の同じ地域でも珈琲の味は変わってしまう。焙煎の温度や時間を同じにしたって、前とは同じ味にならない。それなら、その同じ味に均一にならない広がりを味わえる珈琲を楽しむこと。そんな珈琲の楽しみ方を教えてくれました。

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いただいた珈琲の味が最後になってしまいましたが、ニカラグアモンテクリストは良くも悪くも個性が薄い中に直火焼きなのでドカンとくる苦味とほんのり酸味が効いて甘いお菓子に最高に合う感じです。ケニアナチュラルはケニアの芳醇な香りと甘味に直火焼きの苦味がしっかり効いて美味しかったです。かなり好きな味です。