インターネットでのアイデンティティをまごつかせて

第二の思春期を終えたオジサンが自分の好きな珈琲や読んだ本に食べたものについて思い出として書き残そうと思います

武蔵野珈琲店@吉祥寺

喫茶店が大好きで、もっと素直に喫茶店について語りたい

喫茶店はデートしたりお出かけしたりした中で立ち寄ったり休んだりするための場所であって、喫茶店が目的になることはあまりない、そういう人のが多いだろうし、喫茶店の使われ方としてそれはとても健全であると思う。もっとそういうふうに喫茶店をいっぱいいっぱい使って喫茶店にお金を落として欲しい。
でも喫茶店に行くことが目的で、その喫茶店に行くためにその駅にわざわざ訪れるという人もいる。私の日々の中では、喫茶店に訪れることが目的である場合が多い。喫茶店のために電車にのって歩いて町に行って、そのついでにその町を散策したり買い物したり。
そんな私が初めて喫茶店に行くことが目的で行った喫茶店が吉祥寺にある武蔵野珈琲店だ。もう10年以上前になる。
浪人生の頃に珈琲を飲み始めて都内の大学にようやく合格し珈琲というものへの関心が高まっていた頃、インターネットのどこかで「この都内の喫茶店がおいしい」みたいなスレかなんかがあって、そこに大坊や南方郵便機(調布)やアンセーニュダングルに武蔵野珈琲店の名前があがっていた。その頃はまだ豆なんてスーパーで売ってるKEY COFFEEとかUCCのを飲んでいてコダワリとか全くなかったのだけど、行ったことのない吉祥寺駅という場所と馬場まで定期もあるし、美味しいという喫茶店に行ってみるかと思い立ってんだ*1
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お店について通されたのは昼間で空いていたのもあって窓際のサンルームみたたいな座席、そこで何を注文したらいいか分からないしお金もないのでブレンドを注文した。
当時は本当にドキドキと緊張していたんだと思う。はじめての町だし行ったことのないお店に一人だし、地図もプリントしてきたものだけだしね。どんな服を着ていったのかも覚えてないけど、こんな酸味のない甘く濃厚な珈琲があるんだって本当に驚いたのは覚えている。
そう武蔵野珈琲店の珈琲はアンセーニュダングルと同じタイプで、珈琲の味はオールドビーンズの深煎り豆を使ったネルドリップのそれなんだ*2
何度も言うけど本当に美味しくって、こんな美味しい珈琲があるんだって、勉強中の頭痛を緩和するためじゃなくって、こんな味わい深くて濃厚でいい香りで美味しい飲み物が珈琲なんだって、私に初めて教えてくれたのは武蔵野珈琲店の珈琲だと思う。私にとって珈琲の初体験と呼べるものはもしかしたらここだったのかもしれないし珈琲の味に夢中になって恋して今でも珈琲を愛して喫茶店が大好きなのも、その始まりはここだったのかもしれない。ちょっと大袈裟にいってるところあるけど。
それから、この出会いから、私は色々と美味しい珈琲を求めて喫茶店や色々な豆を試すようになったのは間違いなくって大坊とかアンセーニュダングルとかランブルとかバッハとか行くようになった。*3
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いつもの癖でちょっと大仰に書いてしまっているけど、武蔵野珈琲店は二階にあって大きな西向きの窓から西日が差し込んで奥の部屋の暗さと窓際の明るさのグラデーションが絵に描いたような店内も素敵です。

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オススメのメニューはウィナーコーヒーやコーヒーゼリーで、ここの生クリームを初めて食べた時はこんな生クリーム食べたことない!って当時付き合っていた恋人が跳ね上がったのを思い出します。そんな私にとって色々な思い出の詰まった喫茶店がここ武蔵野珈琲店なのです。吉祥寺に用事があった際は、是非とも足を運んでここの珈琲を雰囲気を楽しんで下さい。

*1:当時横浜に住んでいた私にとって吉祥寺は本当に遠い町だったし、特に用事もない町であった。住みたい町No.1とかに選ばれていたけど横浜より優れているとも思えなかったしね

*2:まー武蔵野珈琲店のマスターはアンセーニュダングルで以前店長をしていたらしいので、メニューや味が似ているのは当然である。

*3:そう、最初の頃の私は喫茶店の雰囲気とかじゃなくって、他のものはどーでもよくって美味しい、珈琲こそ至高!って思想で何よりも珈琲の味を追い求めていたな。雰囲気とかのんびりできるといった喫茶店の価値には目もくれず一流のマスターがいれる最高の珈琲を求めているのが学生時代の私でした。